出会いがあれば別れもある…日々人は出会いと別れを繰り返しています。色々な方との別れのタイミングに「別れ」の意味の花言葉を持った花を贈るのはどうでしょうか?
「さようなら」の言葉と共に花を贈れば、あなたのことも更に印象に残るはず。
今回はそんな「別れ」の意味を持った花を別れのシーン別にご紹介します。
恋人との「別れ」に使いたい花言葉
恋人との「別れ」に添える花言葉と言ってもそのシーンは様々です。別れたくないのに別れなくてはいけない恋人。こちらから「ごめんなさいと」さよならをする恋人。そんな恋人との別れのシーンに寄り添う花言葉を見てみましょう。
1.別れたくなかった恋人へ贈る花言葉
ゼラニウム(白色)の花言葉/「私はあなたの愛を信じない」
花後の果実がコウノトリのくちばしに似ていることからギリシャ語のコウノトリに由来した名のつくゼラニウムは香りの強い花です。ヨーロッパでは虫よけとして使われています。
また、魔よけや厄除けの効果もあるとされ、窓辺に置くお花としても愛されています。
鮮やかな赤やピンクの花には「君ありて幸福」や「決心」などの良い花言葉がついていますが、白い花には「私はあなたの愛を信じない」という意味の花言葉がついていて、西洋では「優柔不断」という花言葉もついています。
アネモネの花言葉/「はかない恋」
他にもアネモネには「恋の苦しみ」、「見捨てられた」、「見放された」など悲しい花言葉がついています。それはアネモネの悲しい2つの言い伝えが由来しています。
1つ目は、西風の神ゼピュロスが、花の女神フローラの侍女であるアネモネを愛していることを知ったフローラは激怒。ゼピュロスは叶わぬ恋に終止符を打ち、侍女であるアネモネを花に変えたというお話。
2つ目は、愛と美の女神アプディーテーが息子のキューピッドと遊んでいると、誤ってキューピッドの射た愛の矢がアプディーテーの胸に当たってしまいます。愛の矢の傷が癒えないうちに見てしまった美少年アドニスにアプディーテーは恋をしてしまいます。しかし、アドニスは狩りの最中にイノシシにわき腹を突かれ死去。アプディーテーは悲しみの涙を幾重にもこぼし、それがアネモネの花になったというお話です。
2.別れを切り出したい恋人へ贈る花言葉
バラ(黄色)の花言葉/「愛情の薄らぎ」
古くから気持ちを伝える花としてよく用いられるバラですが、色によって花言葉の意味はかなり変わっていきます。父の日の定番の花として知られている黄色いバラの花言葉は「愛情の薄らぎ」。同じ黄色いバラでも「嫉妬」や「友情」という意味もあるので、花だけでは上手く気持ちが伝わらないかもしれません。
クロッカス(紫色)の花言葉/「愛の後悔」
長く糸状のめしべからギリシャ語の「糸」が語源となっているクロッカスは、春の訪れを告げる花です。同じ種類のサフランのめしべはスパイスにも用いられ、パエリアの黄色い色付けに使えることでも有名です。そんなクロッカスの黄色は「私を信じて」という可愛らしい花言葉ですが、紫色は「愛の後悔」とかなり辛辣です。
3.やむを得ず別れることになった恋人へ
ヒヤシンス(紫色)の花言葉/「悲しみ」
「悲しみ」の花言葉を持つヒヤシンスにはギリシャ神話が由来とされています。
美少年ヒュアキントスは太陽神アポロンと西風の神ゼピュロスの寵愛を受けていました。
2人の神から可愛がられていたヒュアキントスですが、密かにアポロンに惹かれていました。
ある日ヒュアキントスとアポロンが仲良く円盤投げをしていると、二人の楽しそうな様子を見ていたゼピュロスが嫉妬して意地悪な風を起こします。すると円盤がヒュアキントスの額に当たり、ヒュアキントスは大量の血を流し死去。そのヒュアキントスの血からヒヤシンスは咲いたと言われています。
西洋では「ごめんなさい」、「許してください」の意味もあるので相手に謝罪の思いがあるならピッタリの花かもしれません。
ワスレナグサの花言葉/「私を忘れないで」
花の名前と花言葉がリンクしている忘れな草は水色の小さな花をいくつもつける可憐な花です。
通常、英語で「私を忘れないで」であれば「don’t forget me」と言いますが、
英名は「forget‐me‐not」。これは、中世の古い英語からきているからだと言われています。
同じように、この花言葉も中世のドイツの話が由来していると言われています。
昔、若い騎士であったルドルフが恋人ベルタとドナウ川の川岸を歩いていると、岸に咲く可憐な青い花を見つけます。ルドルフはベルタの為に花を摘もうとしました。すると誤って川に転落。最後の力を尽くして花を岸に投げ、「私を忘れないで」とベルタに言い残し死んでしまいます。ベルタは生涯この花を身につけ、その花は「忘れな草」と呼ばれるようになったのです。
西洋では「真実の愛」との意味を持ち、深い愛を表す花としても贈り物にピッタリです。
卒業や門出の「別れ」に使いたい花言葉
卒業や就職など新しい世界に踏み出す前にも「別れ」の場面は訪れます。寂しいけれど、1歩前に踏み出すことを後押ししてくれる花言葉を見てみましょう。
1.新しい旅立ちに使いたい花言葉
ユーカリの花言葉/「再生」
ユーカリと言えばコアラが有名ですよね。ユーカリの原産地はコアラの多いオーストラリアです。オーストラリアの地はとても乾燥していて、山火事も頻繁に起こります。ユーカリはそんな風土に適していて、種は山火事を経験した後に降る雨によって発芽すると言われています。花言葉の「再生」はこのことが由来とされています。他にも「新生」や「思い出」などの意味もあり、卒業などの門出にピッタリですよね。
カーネーション(ピンク)の花言葉/「あなたを決して忘れません」
カーネーションが母の日に欠かせない存在になった由来は、南北戦争時代のアメリカにさかのぼります。アン・ジャービスはウエストバージニア州で「母の仕事の日」として、敵味方を問わず負傷兵の衛生状態を改善するための活動を行っていました。アン・ジャービスが亡くなって2年経った5月12日、アン・ジャービスの娘であるアンナ・ジャービスは母を偲んで、記念会を開催しました。その時にアンナが配ったのが、アンが好きだった白いカーネーションです。この時から母の日にはカーネーションがシンボルになりました。母の日に関わらず花屋さんでは多く見かけるカーネーションですが、ピンク色は「あなたを決して忘れません」という意味があります。親しい人の旅立ちに贈るのはいかがでしょうか。
2.歓送迎の場面で使いたい花言葉
スイートピーの花言葉/「門出」
スイートは香りの良さを、ピーは豆を意味する、マメ科の薫り高き花スイートピー。
日本では江戸時代末期に渡来し、ニオイエンドウやジャコウエンドウなどと呼ばれました。
ヨーロッパでも甘い香りが好まれ寝室に飾る花とされています。
花言葉は別れと言っても、明るい未来を予測させる言葉「門出」とついています。
縁起の良い花言葉は、花の姿が飛び立つ蝶のように見えることに由来します。
他にも「優しい思い出」や西洋では「good-bye」と別れの言葉そのものがついています。
卒業式や歓送迎会にピッタリの花です。
シクラメンの花言葉/「退職と別れの言葉」
冬の贈り物に多いシクラメンは実のついた茎が螺旋状に丸まる性質から、ギリシャ語で螺旋を表す言葉が語源とされています。和名は篝火花(カガリビバナ)。反り返った螺旋や花弁の形を見た貴婦人が「これは篝火のような花ですね」と植物学者である牧野冨太郎に言ったことが由来します。
シクラメンは「死」や「苦」をイメージさせますし、切り花は無く鉢植えなので、病院へのお見舞いには縁起が悪いとされています。しかしながら、西洋では「退職と別れの言葉」という花言葉が付いていますし、ピンクのシクラメンは「憧れ」も意味するので、上司や先生への送別の花には良いでしょう。
おわりに
「別れ」の意味以外にも、悲しみや辛さを表現する花言葉は数多く存在します。
花言葉は、その花にちなんだ物語が由来となっていることが多いです。
花に込められた思いや物語を照らし合わせてプレゼントするのもいいかもしれません。
「別れ」の場面に合った花を贈って、身も心も次のステップに進みましょう!