愛や恋を語り伝えるためだけに花言葉はあるわけではありません。今回は“団結”という花言葉をもつ花たちをご紹介します。“団結”ならチームプレイが生かされる場面や、友情や家族への感謝など色々なシーンで使えそうですよね。それぞれの花の持つ特性や名前の由来など花に沿ったエピソードと共にご紹介します。知らない花もあると思うので、花言葉を知って“団結”の意味を持つ花たちを知る機会にもしてみて下さいね。                                            

バーベナ(赤)の花言葉/「団結」

バーベナは、春から秋と長い期間楽しめる1年草の花です。
花色や草丈のバリエーションが多く、花壇や鉢植え、グランドカバーにも広く用いられます。
ガーデニング初心者の方にもおすすめの花です。

品種も多く、世界に250種類。現在人気の園芸種は南アフリカ原産の改良種が多いですが、アジアやヨーロッパ、アメリカなど大きなエリアで大昔から自生していました。

桜のような5弁の小さな花が、傘のように固まり咲いている姿から
和名を「美女桜」ともいいます。

小さな花が周りから順に輪のように咲いていくので、人との繋がりを連想させますよね。
赤色のバーベナの花言葉は「団結」
他にも、ピンクのバーベナは「家族の和合」です。
赤系のバーベナの花言葉は“家族の団結する姿”が目に浮かびます。

その他には
白いバーベナの花言葉は「私のために祈ってください」
紫のバーベナの花言葉は「私はあなたに同情します」という花言葉があり、
バーベナ自体には「魅了」、「魔力」という花言葉が付いています。

では、どうして「魅了」、「魔力」という花言葉がついたのでしょうか?

バーベナの語源はヘブライ語の“よい植物”が元になっているという説があります。
バーベナは古くからハーブとして利用されてきました。
日本でも「クマツヅラ」というバーベナの1品種が生薬として利用されていました。

科学的な立証はまだされていませんが、咳や喘息、婦人病や下痢、黄疸の効果や
他の薬草と併用して効果を高めるためなどに使われてきました。

そのためでしょうか?どの国々でも神聖な植物として扱われており、
宗教儀式や呪術やおまじないなどにも利用されています。

世界各国には、数多くの花言葉の由来ともいえる文化や歴史が残っています。

例えば、古代エジプトでは女神イシスに捧げる神聖な花でしたし、
ギリシャ神話では、愛と美の女神アフロディーテを象徴する花でした。

また、キリスト教ではイエスキリストがゴルダの丘で十字架に架けられた時、
丘に咲いたと伝えられているのがバーベナの花なので、
中世の教会では聖水をかけるときにバーベナの花を使いました。

ラテン語では、バーベナに“祭壇を飾る草”の意味もあるとされるなど、
神聖な儀式で使われてきました。

同様に儀式で使われていたのがアメリカの先住民です。
先住民の間ではシャーマンや魔術師が呪術に使い、
またケルト人も同じように“魔法の草”と呼んで、魔法や呪術に使用したとされています。

その他にも各地で、魔除けや災害除けの為に家に飾る習慣も伝えられています。

ハーブとしての効能だけではなく、神秘の力が宿る神聖な花とされてきた花です。
花言葉の「魅了」や「魔力」も納得ですよね。

現在でも、ハーブティーに使用されたり、エディプルフラワーとしてサラダやケーキの飾りに
使われたりしています。
日本で食用のバーベナは「ヴェルヴェーヌ」と呼ばれることもあるそうです。

色を赤系にすれば「団結」や「家族の和合」という花言葉で
人と人との繋がりをイメージさせますし、神聖とされている花です。
人へのプレゼントやガーデニングにも取り入れたい花ですよね。

イキシアの花言葉/「団結」、「誇り高い」、「粘り勝ち」、「秘めた恋」

イキシアは稲の葉に似た硬く細い真上に伸びる葉と、針金のように細く硬い丈夫な茎、
その先に多いものだと20輪近くの連なった花を咲かせます。

夜になると花は閉じますが、日を当てるとぱっと大きく花が開きます。
原産地は主に南アフリカ。約40種類ほどの自生種が知られるアヤメ科の植物です。

日本には明治の末期に輸入されたのが始まりです。
花持ちの良さや、見た目も日本人好みだったため、
80年代後半のバブル期前後には毎年十数品種が輸入され切り花としても人気でしたが、
現在は数種類と少なくなってきています。

イキシアの花の名前は
「鳥もち」の意味を持つギリシャ語が語源とされています。
「鳥もち」とは鳥や昆虫を捕まえるのに使う粘着性のある物質のことです。

なぜこの名前がついたか?
これは、イキシアの茎や枝などをへし折った時に出る汁に粘り気があるためです。

ちなみに、和名は花のカタチが槍のようなかたちに似ていることから「槍水仙」と
呼ばれています。

あまり聞きなれない花ですが、専門家には人気の花です。

もともとアフリカを始めとした暑い地域の花ですが、
ヨーロッパに広がったのは18世紀頃にプロントハンターのパイオニアである
マッソンがイキシアの球根を持ち込んだのが初めだとされています。

ヨーロッパではイキシアをイギリスの名植物園、キューガーデンが取り入れました。
キューガーデンに登場したイキシアは話題となり、認知度はいっきに上がりました。
そのことがヨーロッパで広がった理由とされています。

さらにマッソンは新種を生み出すことにも積極的に取り組みました。
50種類の品種改良に成功し、イキシアの人気を加速させました。

また、もう1人イキシアを愛した人がいます。
ドイツの植物学者マルロスです。

もともと薬剤師であった彼は
南アフリカの植物層の豊富さに魅了され、次第に植物採取をするようになり植物学者へと
転身しました。

マルロスは幻のイキシアの花「イキシア・ビリディフローラ」という品種の花を
南アフリカ西ケープのなだらかな山の斜面で見つけます。
緑色の可憐な花はヨーロッパの人々を魅了し、
イキシアは更に知名度を上げることとなります。

花言葉は「団結」、「粘り勝ち」、「団結して当たろう」、「協調」、「秘めた恋」、「調和」

「団結」は固まって咲く花の姿から付いた花言葉だと推測されます。
「団結して当たろう」は花の規則正しく並んで咲く様子がイメージされるからでしょうか。
同じように「協調」や「調和」も規則正しいことからイメージされました。

日本での知名度はまだ低いですが、
とてもきれいな花です。花屋さんや園芸店に立ち寄る際には注目してみて下さい。

ガイラルディアの花言葉/「団結」、「協力」、「明るい人柄」、「きらびやか」、「生きなさい」

北アメリカを原産地とする「ガイラルディア」という学名は、
フランス人の生物学者ガイヤール・シャラトンの名前にちなんでつけられました。

英名には「インディアン」とついていますが、インドのことではなく、
アメリカインディアンを指します。

また、和名の「テンニンギク(天人菊)」は、花の美しい姿に天人を重ねつけられました。

第二次世界大戦中、特攻隊員が出撃の際にガイラルディアの花束が贈られていたことから、九州地方では「特攻花」と呼ばれています。

特攻隊員は、出撃の際に現地の娘から手渡された花を自分の身代わりとして咲いてくれという願いを込めて滑走路に置きました。その後、テンニンギクが根付いて
咲くようになったと言われています。
現在でも、特攻隊員が飛び立って行った鹿児島県喜界島の飛行場跡地には毎年
テンニンギクが咲き続けるそうです。

ガイラルディアの花は赤やオレンジ、黄色の花弁が北アメリカの乾いた日差しを思わせ
元気がれるようなビタミンカラーをしています。

実際花自体も非常に強い性質で、地植えにすれば水やりも肥料もほとんど不要です。
花は夏から秋にかけて咲き、一般的なひと重咲きのほか、八重咲もあります。

一般的に流通しているのは1年草のテンニンギク(天人菊)、多年草のオオテンニンギク(大天人菊)という品種です。

花言葉は、鮮やかな色合いが人目を引く美しさであることから、
「明るい人柄」、「きらびやか」とつけられました。

また、よく群生することから「団結」、「協力」とついたようです。

春から秋までの長い間、明るい花を楽しめる植物です。
花を楽しんだ後は、いくつか花がらを摘まずに残しておけば、育てた株から
種を採取できます。また、挿し木でも増やすことが出来るので、
庭の花の候補に挙げられてみてはいかがでしょうか?

おわりに

今回は数ある花言葉の中でも、「団結」という意味の花言葉を持つ花をご紹介しました。

普段聞きなれない花も多かったと思いますが、どれも花が重なり合ったり、
まとまって咲くことからその名がつきました。
見ごたえがある花が多いので、園芸店に足を運ぶ際には是非注目してみて下さい。

誰かへのプレゼントとしても、喜ばれる花も多いでしょう。

「団結」の花言葉を持つ花、あなただったらどんな「団結」をイメージしますか?
部活やスポーツチームの「団結」、家族一丸となる「団結」。
色々なシーンで思い出し取り入れてみて下さい!