シャガ(著莪)の花言葉
春の訪れとともにオレンジと青の模様が入った、淡い紫色のアヤメに似た花を咲かせてくれます。
気品のある美しい花と、すらっとした艶やかな葉姿がとても魅力的です。
可憐で清楚な花が輝くように咲いているシャガは、和風の庭に調和した雰囲気を持っています。
和の風情で優しく彩るシャガの花言葉を紹介いたします。
「反抗」「友人が多い」「決心」
可憐で優しい雰囲気を感じさせるシャガの花は、一見弱そうに見えますが、心(気持ち)を定めることや立ち向かう・意欲に溢れているなど、強さを内に秘めた花言葉がつけられているのですね。
シャガ(著莪)の花言葉の由来
「反抗」
光沢があり剣状のような葉形や、陽光を避けて日陰でも花を咲かせることにちなんでいます。
シャガの花が象徴している、どんな境遇にも耐える強い精神力が感じられます。
「友人が多い」
種を作らずに地表をはう根茎を伸ばして、たくさんの花を咲かせる性質が由来となっています。
生命力が強く繫殖力に優れたシャガだから、仲間を増やし続けることができるのですね。
「決心」
特有な生態を選んだ決断と、自己主張をしているような印象を与えることからつけられています。
たった1日を必死に花開いて自己主張している、シャガの花が愛おしく感じられます。
シャガ(著莪)の花名の由来
「著莪」という名前は、珍しく変わっていると思いませんか?
可憐で清楚なイメージにふさわしくない、不思議な名前ですよね。
どうしてこのような妙な名前がつけられたのでしょうか?
檜扇(ヒオウギ)の漢名である「射干」を、日本語で「シャガ」と呼んだことに由来するそうです。
射干の発音が、シャガと似ているので「著莪」になったそうです。
森林下で青白く浮き上がって見えるシャガの大群生は、幻想的な美しい情景です。
静寂な道沿いでこの花を見ると、何か仏の道のような感じを抱きます。
シャガの花の別名は、胡蝶花(コチョウカ)。
小振りの花が、美しい蝶が舞うように見えることからつけられたようです。
シャガ(著莪)の特徴
シャガは古くから日本各地に自生する自然帰化植物です。
原産地は中国でかなり古い時代に渡来し、そのまま野生化したといわれています。
日本に自生するシャガの最大の特徴は、「種を作らない」ことです。
常緑多年草なので冬を越してもう一度花を咲かせますが、染色体が3組の三倍体という構造をしていて、種を作らず長い地下茎に生まれる株から、増えていき群生します。
早朝に開花し夕方にしぼむ「一日花」ですが、蕾をたくさんつけて次から次へと新たな花を咲かせます。
木陰を好む成長力旺盛な花であり、あたり一面に咲き誇るシャガの群生は、異次元の世界を感じさせるほど神秘的です。
シャガ(著莪)に関する俳句
俳句では”夏の季語”
シャガは、漢字で「著莪」と書きます。
著莪の花を季語に使って詠んだ俳句は、シャガの特性をよく表しています。
いくつか紹介いたします。
「ぽつとりとした電球胡蝶花(しゃが)を活けたな」
北原白秋
「結願の高野の道は著莪の道」
大山文子
「しちくさの著莪の前置ながし哉」
井原西鶴
「一隅を照らすに余り著莪明り」
後藤比奈夫
「紫の斑の仏めく著莪の花」
高浜虚子
日陰を好みひっそりと健気に咲く、シャガには心を癒されます。
俳句の情味の世界観にぴったりですね。
俳句の季語は日本人の心であると言われています。
著莪の花は、俳句を通して昔から人々に親しまれてきたのですね。
シャガ(著莪)の基本情報
分類 | アヤメ科/アヤメ属 |
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花色 | 白、複色 |
別名 | コチョウカ |
原産地 | 日本、中国 |
英名 | fringed iris |
開花時期 | 4~5月 |