ウツギ(空木、取木)の花言葉と由来

古風、秘密、風情

夏の訪れを知らせてくれるウツギの花。

緑葉の中に可愛らしい小さな白い花を、いっぱい咲かせてくれます。

古くから万葉集で詠まれるなど、日本で愛されてきた歴史のある植物です。

初夏に咲く白い花が魅力のウツギの花言葉は?

「秘密」
ウツギの枝は中がぽっかり空洞のようになっているため、外面から中の様子がわからない ことからつけられました。
枝の中にある空洞に秘め事を込めているというような感じですね。

「古風」「風情」
美しく咲きほこる、清楚な白い花姿に由来します。
日本女性の奥ゆかしさと物静かな情景を思わせます。
新緑の中でひときわ目立つ純白の花を咲かせる「ウツギ」は、初夏の風物詩ですね。

ウツギ(空木、取木)の基本情報

分類 アジサイ科/ウツギ属
花色 白、淡紅紫色など
別名 ウノハナ
原産地 ヒマラヤ、アジア、メキシコ
英名 Japanese snow flower
開花時期 5~7月

ウツギ(空木、取木)の花名の由来と特徴

ウツギは漢字で「空木」と書き、「空ろな木」という意味です。

「ウツギ」の花名は、木の中心が空洞であることに由来するそうです。

卯月(旧暦の4月)に咲くことから、「卯の花」という美しい別名もあります。

ウツギはアジサイ科の落葉低木で、日本各地の山野に生育する耐寒性に強く育てやすい樹木です。

昔から生垣や庭木として愛されてきたウツギは、私たちにとって馴染みの深い植物です。

白い小さな5枚の花びらが、枝先に円錐状の花序をつけているのが特徴です。

地味な低木ですが、連なるように咲きほこる可憐な白い花が、美しい光景をつくります。

清楚で凛とした花姿は、上品な中に豪華さもあり、魅了させてくれます。

ウツギの種類は豊富

ウツギにはいろいろな種類があります。

いくつかご紹介いたします。

「バイカウツギ」  

  真っ白いふっくらとした可愛らしい梅に似ている花を咲かせます。
  ほのかなやさしい香りがします。

「サクラウツギ」

  濃淡のある華やかな八重咲の花を咲かせます。
  内側が白く外側は濃いピンク色をした小さな花です。  

「ハコネウツギ」   

  咲き始めは白色で、だんだんとピンク色へと変化していきます。
  花の白とピンクのきれいなコントラストが特徴です。

「ヒメウツギ」    

  ウツギほど大きくならないコンパクトな姿が特徴です。
  白くて小さい可憐な花が枝を覆うようにいっぱい咲きます。

「サラサウツギ」

  鮮やかな八重咲の外側がピンクで内側は白の2色模様の花を咲かせます。
  優しく華やかさがあります。

初夏の新緑の中で輝くように清々しいウツギの花が、野山や公園を美しく彩ってくれます。

きれいな奥ゆかしいお花を咲かせてくれますので、花散歩を楽しんでみてください。

ウツギは有名な古典や唱歌にも登場

奈良時代から人々に愛されていて、万葉集にも24首の歌が詠まれていました。

【 万葉集・大伴家持 】

  卯の花も いまだ咲かねば 霍公鳥 佐保の山辺(やまへ)に 来鳴き響(とよ)もす
                   

(現代語訳)

  卯の花もまだ咲いていないのに、ホトトギスが佐保の山辺に来て、鳴き声を響かせてい  ます

【 枕草子・清少納言 】

  初夏の風物詩であるホトトギスの鳴き声を聞きに行った時、卯の花の枝を折って牛車に  飾って帰京したとされています。

「夏は来ぬ」

  卯の花の匂う垣根にほととぎす早やも来鳴きて忍音もらす夏は来ぬ ♪ ♪ 

                          (佐々木信綱・作詞)

初夏の野山の情景を季節感豊かに、表現されていますね。

日本の夏を象徴する季節の歌として、愛唱されています。

「夏は来ぬ」のメロディを、口ずさみながら ♪ 懐かしい昔を思い出します。