お花の華やかで美しい様子、清楚な感じ、たおやかな姿、それは恋愛シーンとは切っても切り離せないものがあるのではないでしょうか。
告白やプロポーズの場面で贈ってみるとか、自分の雰囲気に合ったお花を飾るなどのセルフプロデュースもありかもしれません。
プラスシーンで使えるお花
恋愛といったら、バラの花を外すことはできません。
色でも花言葉が違うのですが、本数によっても花言葉があるのはバラぐらいではないでしょうか。
1本のバラの花言葉は「一目惚れ」、3本なら「告白」、10本なら「あなたは完璧」、108本なら「結婚してください」です。
プロポーズの時に、108本のバラを贈ったらとてもロマンチックですね!
見た目も美しいバラですが、古くからその効能にも注目されていました。
発熱や頭痛、のどの痛みや下痢にも効くとされていましたが、なんと言ってもその香りに特徴があります。
かのクレオパトラもバラ風呂に入っていたとか。バラの香りはホルモンの調子を整え、肌をきれいにしてくれます。
意外な背景があるお花
一青窈さんの歌にもあるハナミズキの花にも「私の想いを受けてください」という花言葉があります。
歌の「ハナミズキ」は、ウエディングソングとして定番のようです。
君と好きな人が100年続きますように、そんな気持ちをこめて結婚式で贈られることも多いと思います。
実はハナミズキのもうひとつの花言葉に「返礼」というものがあります。
これは、日米の友好を祈願して日本からアメリカに桜が贈られた際の、アメリカからの返礼品がハナミズキだったことに由来します。
「ハナミズキ」の歌は、この由来にちなんで、9.11テロ事件を歌ったものとも言われています。
はかない気持ちから続く永遠の愛が、ハナミズキには込められている気がしますね。
悲しいシーンで使えるお花
夏から秋にかけてかわいらしい青い花を咲かせるスカビオサには、悲しい恋愛シーンで使える花言葉を持っています。
できることなら使わずにおきたい「不幸な愛」「私はすべてを失った」という意味です。
西洋では、ギリシャ神話で大量出血して亡くなった美少年の伝説から、紫のヒヤシンスの由来として悲しい花言葉があるのですが、そこから、紫や青の花には悲しい花言葉がつけられるようになったと言われています。
スカビオサという花の名前も、ラテン語の「疥癬」から由来しており、疥癬によく効くからという理由だそうですが…この美しい花に病名の名前をつけるのはあんまりではないでしょうか。
お花に罪はありませんね。
大好きな人に気持ちを伝えるときの花言葉
誰かに「大好き」な気持ちを伝える時、貴方ならどうしますか?
直接言うには恥ずかしいし、手紙はなんだか照れ臭い。LINEやメールでは熱い思いは伝わるだろうか?そんな考えに及んだら、花言葉で伝えるのはどうでしょう。もちろん「愛しています」など直接的な意味を持つ花言葉も沢山ありますが、大好きな気持ちを間接的に伝えられる花言葉も沢山あります。今回は大好きだからこそ相手を思う気持ち、大好きだからこそ相手に向けてしまう眼差しなど、素敵な花言葉をご紹介します。
ヤドリギ/「私にキスをして」、「困難に打ち勝つ」
【大好きだから、、、『私にキスをして』】
ヤドリギと言ってもピンとくる人は少ないかもしれません。
漢字で書くと「宿り木」。その名の通り、他の木に宿り(寄生して)成長する木です。
ヤドリギの実は粘着力があり、鳥が実を食べ排泄すると、粘り気で樹木に種が張りつき、
発芽、寄生根(きせいこん)という根を幹の中に食い込ませて、木から水分や養分を拝借しながら生育します。
そのため、鳥が多く生息する高い木によく見られます。
高い木を見上げた時にこんもり鳥の巣?のような枝の塊が見えたらヤドリギかもしれません。
ヤドリギは寄生しているといっても、自ら光合成を行って養分を作り出すので、宿っている木を枯らしてしまうようなことはしません。
寄生しているなんて、ちょっとイメージが悪いですが、ヤドリギは西洋では神聖な植物です。
ケルトでは、地上から根を伸ばして生殖する事がない姿に不死、活力、肉体の再生などの
象徴とされていて、ヤドリギが生えている木には神が宿るとされています。
また、キリスト教では、ヤドリギは元々大木だったが、キリストの磔に使われた十字架の原木とされたことを恥じて他の木に宿るようになったと言われています。
クリスマスのシーズンにヤドリギを耳にしたことはあるでしょうか?西洋ではクリスマスに
ヤドリギを飾る習慣があり、この季節にヤドリギの下にいる若い女性はキスを拒むことが
出来ないとされています。
もし、キスを拒んだら翌年の結婚のチャンスがなくなってしまうという怖い言い伝えです。
この言い伝えが進化して、恋人同士がヤドリギの下でキスをすると結婚の約束を交わした
ことになったようです。そうです、この風習が花言葉「私にキスをして」の由来となっています。
また、「困難に打ち勝つ」は冬でも常緑樹であるヤドリギや雪の中でも青々とした緑の葉を
保っていることに由来します。
高い常緑樹の上の方に冬でも緑色の葉がこんもりとついている箇所があったら
ヤドリギかもしれません。ヤドリギは人工的に木へ寄生させることが難しいので、
ほとんど自然界でしか見ることが出来ないのです。
そんなちょっと特別なヤドリギを大好きな人と一緒に見つけたら、
花言葉や雑学を話してみましょう。告白のチャンスかもしれませんね。
モモ/「私はあなたのとりこ」、「天下無敵」、「気立ての良さ」
【大好きだから、、、『私はあなたのとりこ』】
梅の開花が終わると、桜と共にピンクの花を咲かせるモモ。
可愛い名前の由来は、
実が沢山なることから、多いことを意味する「百(もも)」と呼ぶようになった説や
燃えるような赤い実から「燃実(もえみ)」が転じてモモになった説など様々です。
中国原産のモモですが、日本の歴史も古く、弥生時代の出土品の中にもモモの種が含まれていたそうです。
中国でモモと言えば神仙に力を与える樹木や果樹という意味の“仙木”や“仙果”と呼ばれています。モモには不老長寿を与え、邪気を払う神聖な力があると考えられてきたためです。
祝い事の際にモモの実の形をしたお饅頭を食べて長寿を願う習慣もあります。
日本でも同様に、邪気を払う力があると考えられていました。
モモから生まれた『桃太郎』は鬼退治をし、
『古事記』のイザナミノミコトはモモで鬼女を退散させます。
このことからつけられた花言葉が「天下無敵」だと言われています。
モモの花の咲き方が由来とされているのは「気立ての良さ」という花言葉です。
1つ1つ枝に沿うように咲くモモの花。
その様子から自立している女性をイメージさせこの花言葉がつけられました。
「私はあなたのとりこ」という花言葉はモモが女性のシンボルとされてきたことが関係します。
モモは沢山の実をつけるので、多産を意味し、縁起のいいものとされています。
また、そのモモのイメージから女性の象徴となりこの花言葉がつけられました。
薄く可憐なピンクの花も、ふくよかな実も女性のイメージにピッタリですよね。
ちなみに、西洋でも女性をイメージさせるモモは悪魔を払う神聖なものと信じられてきました。
花言葉は果実と花にそれぞれついています。
花の花言葉は
「私はあなたの虜です」(イギリス)
「見つめるほど貴方が好きになる」(フランス)
果実の花言葉は
「比類がない素質」(イギリス)
「妨害があるほど私の情熱は燃える」(フランス)
どの意味もいいイメージですし、美味しさでも人気のモモなので
果実も花も一緒に贈るのもいいかもしれませんね。
ナズナ/「私はあなたに全てを捧げます」
【大好きだから、、、『私はあなたに全てを捧げます』】
春の七草の1つ、ナズナ。
七草に選ばれているのには意味があって、
“食べて体から厄や穢れを取り除きましょう”という意味が込められています。
よく見ると白くて小さい花を沢山咲かせる可愛らしい花ですが、
ぺんぺん草とも呼ばれ、雑草のイメージが強いのではないでしょうか?
和名のナズナ(薺)は“撫でたくなるほど愛らしい花”からつけられた説と
夏になると枯れてしまうので“夏無(なつな)”が語源だとも言われています。
ちなみに、ぺんぺん草はナズナの実の形が三味線のバチに似ていることで、
三味線の音を擬音化して“ぺんぺん”と呼ばれるようになりました。
日本では、三味線草と別名があるのもこのためです。
地域によっては爺(婆)の巾着袋と呼ぶ地区もあるようです。
ナズナの花言葉「私はあなたに全てを捧げます」は西洋が由来です。
ナズナの実は、イギリス、フランス、ドイツ、ロシアなどヨーロッパの多くの国で
“羊飼いの財布”と呼ばれています。
その理由は、細長いハート型のような実を二つに割ると
財布の中に金貨が入っているかのようだからだと言われています。
このことが転じて
“お財布を捧げる→お金を捧げる→私はあなたの全てを捧げる”となったようです。
お金を捧げることが、全てを捧げることになるとは
なんだかロマンティックには欠けますが
素敵な花言葉には違いありません。
大好きな人と散歩がてらにナズナを見つけたら
是非話の話題にしてみて下さいね。
おわりに
「大好き」という花言葉がないのは意外ですよね。
それだけ、花言葉は間接的に思いを伝える手段なのかもしれないですし、
一概に「大好き」と言っても、LOVEなのか、LIKEなのか?
意味が広いのかもしれません。
今回は直接「大好き」とついている花をご紹介したのではなく
考えると「大好き」と受け取れる花言葉をご紹介しました。