花言葉は、美しい花の様子から、素敵なものが多くあります。
中でもちょっぴりマイナーなお花をピックアップしていきます。

周年で手に入りやすい「素敵」な意味があるお花

カスミソウに似た白くて小さなレースフラワーは、花束に添えてボリュームを出したりするのに人気のお花です。
花言葉もその見た目から「可憐な心」「ほのかな思い」というもの。
メインのお花の花言葉と合わせてブーケや花束をつくるととっても素敵です。
実は、ホワイトレースフラワーによく似た花に「ドクゼリ」があるのですが、そのため、レースフラワーの和名は「ドクゼリモドキ」というのです。
ちょっとがっかりな和名なので、贈るときはきちんと「テースフラワーです」と伝えてあげましょう。

春に手に入りやすい「素敵」な意味があるお花

針山のような形状からその名前がついたピンクッション。
花言葉は「どこでも成功を」です。
あまりメジャーではないお花ですが、花持ちもよく、鮮やかなお花と相性が良いので、花束にもよく利用されるようです。
花びらがまっすぐ空へ伸びていく様子が、花言葉に結びついているようです。

夏に手に入りやすい「素敵」な意味があるお花

百日紅(サルスベリ)よりももっと花持ちがいい、ということで名付けられた千日紅(センニチコウ)。
ドライフラワーにするのにももってこいのこのお花の花言葉は「変わらぬ愛」「不死」です。
そういうことですね。
このセンニチコウの仲間のキバナセンニチコウのことを「ストロベリーフィールド」ともいいます。
その名の通り、イチゴ畑のような可愛らしいお花です。

クリスマスベルのような形の可愛らしいサンダーソニア。
この形から花言葉は「祝福」という意味があります。
南アフリカ原産のお花で、南アフリカではちょうどクリスマスの時期にこの花が咲くんですね。
このほかに「祖国への思い」という花言葉もあるのですが、これはこの花の名前の由来ともなっている入植者のサンダーソン氏の望郷の思いを表しているとも言われています。
現在は乱獲によって、野生種が減ってしまっているようですから、サンダーソニアの望郷の思いも込められているのかもしれません。

「ホトトギス」と聞いたら、鳥のホトトギスを思い浮かべることと思います。
実際、ホトトギスの花は、花びらに斑点のついたその様子がホトトギスに似ているためつけられたものですが、鳥の名前がそのまま花の名前になっているものは「ホトトギス」しかありません。
ホトトギスは、夏から秋の終わりまで花を咲かせるので、花言葉として「永遠の若さ」という意味があります。
ちなみにホトトギスは「天辺駆けたか」と鳴いているように聞こえるということで、これも縁起がいいですね!

おまけ:あまり知られていない花たち

「好きな花は何?」そう知人に聞かれた時に、貴方なら何の花を思い浮かべますか?
ありきたりな花を言わないで、ちょっと変わった花が好きだと言ってみるのはどうでしょう?
「何その花?」と言わせて会話を楽しみましょう。世界には、まだあまり知られていない
魅力的な花が溢れています。今回は、そんな珍しくて個性にあふれた花々をご紹介します!

世界で1番臭くて、世界で1番大きな花/ショクダイオオコンニャク

インドネシアの熱帯雨林に生息するこの花は花の形が燭台に似ていることから
ショクダイコンニャクと呼ばれています。

コンニャクとついているだけあって、サトイモ科のコンニャク属の植物ですが、
この花を見ても到底食べる気にはならないでしょう。

学名アモルフォファルス・ティタヌム。これはなんと、変な形をした巨大な男性器という意味。
また、お化けのように見えるのでお化け蒟蒻とも呼ばれています。

この花は、“世界で1番大きな花”を持ち、“世界で1番臭い花”とされる
世界1を2つも持つ凄い花です。
見た目も独特で“ほとんど花”のような形態をしています。
全体は直径1.5m、縦の長さは3.5mとその巨大さがお分かり頂けるでしょうか?

花の内部は滑り台のようになっていて、花粉を付けた昆虫たちが内部を滑り落ちることで
受粉をします。見た目は食虫植物のようですが、そうではありません。

そんな強烈なショクダイオオコンニャクですが、7年に1度しか咲きません。
開花後8時間ぐらいたつと強烈な『動物の死体臭』を放ち、
周囲の虫たちを沢山おびき寄せます。
そして、開花から2日ほどすると枯れてしまう伝説の花です。

勇気がある方はコンニャクなので食べてみ感想を聞きたいところです。

幸せなエイリアン/ユニフロラ・カルセオラリア

お盆を持って『どうぞ』と言わんばかりのエイリアン風な佇まい。

ユニフロラ・カルセオラリアはキンチャクソウの(巾着草)の仲間です。

草丈は10~15㎝程度の小さな花で、
パタゴニアなど乾燥した岩場や明るい草原地帯に自生しています。

英名は1831年から1836年の間にダーウィンが発見したことから、
「ダーウィンのスリッパ」と呼ばれています。
また、別名で「幸せのエイリアン」や「チャンバー・メイド」などとも呼ばれています。

お皿を持っているような姿が印象的ですが、このお皿やお盆のように見える部分は
鳥が食べる部分です。鳥が、この部分を食べる際に体に花粉がつくので受粉できるそうです。美味しいお盆だったのですね。

巾着草は他にもユニークな形をしたものが多いので、
他の種類も検索してみると面白いですよ。

世界で最も貴重な花/ミドルミスト・レッド

現在、ミドルミスト・レッドが見られるのは、ニュージーランドの庭園とイギリスの温室のみ。
そうです、この世に2株しかない貴重な花なのです。

椿の仲間であるこの花は、色は濃く赤に近いピンク色、丸い花びらが幾重にも重なる大輪の見ごたえのある花です。
もともと苗木屋のジョン・ミドルミストが1804年に中国からイギリスに持ち込んだとされています。その後、中国では絶滅されたと言われています。
大変美しい花ですし、広い中国のことですから、どこかにひっそりと自生していたらいいなと
願うばかりです。

枯れたら怖い/キンギョソウ

鮮やかな色彩で色幅も多いキンギョソウは春の花壇ではにぎやかさを演出してくれます。
甘い香りを漂わせて、金魚を連想させるふっくらとした花の形からこの名がつきました。

可愛らしいキンギョソウですが、枯れて実が出来るとその姿は一変します。
なんと、実はドクロの顔のようになるのです。

しかも、小さな花が茎にみっちりとついているキンギョソウ。
もちろん実の付き方も同じようで、茎にいくつもの小さなドクロが付いているように
見えるのです。

花が終わったら花壇を整理しがちですが、
興味がある方は実が出来るまで観察してみて下さいね。

その唇から目が離せない/サイコトリア・ペピギアナ

中南米の熱帯雨林に自生している常緑樹で、樹高は1~2m。
和名は学名の音読みからきていますが、属名はギリシャ語の“生命”と“保つ”の合成語で、生活力が旺盛であることが示されています。
特徴的なのは、真っ赤な口紅を付けた唇のように見える花です。
見た目が、唇に見えることから「娼婦の唇」や「ホットリップ」とも呼ばれています。

情熱的な魅惑の唇は、赤い部分が花なのではなく、その中に小さくある黄色い部分です。

よく絵本や漫画に出てきそうな形をしているこの花。苗は販売もされています。
お部屋に置いておいたら何か話し出しそうですよね。

色も凄い花の王様/バラ

2004年に発売された「青いバラ」は記憶に新しいかもしれません。
もともと青い色素がないバラが青色の花を咲かせることは昔では考えられなかったことです。

いつでも注目度の高いバラですが、他にも色々な色のバラがあります。

まずは、表は鮮やかな赤い色、裏側は明るい黄色のバラ。
その名を「ケチャップ&マスタード」と呼ばれるバラです。
見た目通りの名前が付いていますが、もちろんケチャップとマスタードの香りはしません。

次にご紹介したいのは、黒バラです。
日本で黒バラと言っても深い赤色がほとんどですが、トルコの黒バラはひと味違います。

トルコのユーフラテス川流域では天然の黒バラが咲きます。しかもその色合いは漆黒。
もちろん蕾の時から真っ黒です。

なぜこのような漆黒のバラが咲くのかというと、この地域独特の土壌条件とユーフラテス川からの地下水のPHレベルによるものだと言われています。

なので、他の地域で育ててもこのように黒くなることはないそうです。
しかも、真っ黒になるのは夏だけで、春に開花したものは赤黒くなるとのこと。

実は、この黒バラが咲く小さな村は、1990年代のダム建設により村の大半部分が
水没しました。黒バラも絶滅の危機に陥ったのですが、10㎞ほど離れた場所で
土壌環境を構築し、保存することになったそうです。

1度漆黒のバラを見てみたいですよね。これからもこの土地を大事にしてもらいたいです。

食べたくなっちゃう花/チョコレートコスモス

その名の通り、チョコレートの香りがするこの花はメキシコで生まれました。

見た目もチョコレート色をしていて、夏の終わりの夕方に8枚の花弁を開き咲き始めます。
日本には大正時代に渡ってきました。草丈は50㎝ほどの多年草。
寒さにも弱く、普通のコスモスよりも育てるのが難しい花です。

人工的に作られたのかと思われがちですが、そもそも自生をしていた花です。
しかし、野生では絶滅してしまいました。
その後、交配種の栽培が1902年から行われ、現在では園芸用として幅広く広まっています。

本当に甘いチョコレートの香りがする花です。最近では園芸店でもよく見かけるので、見かけたら是非香りをお楽しみくださいね。

ガラスのような花弁を持つ花/サンカヨウ(山荷葉)

本州の中部以北から北海道まで分布する多年草。
山中の湿度が高い場所でよく見られ可憐な白い花を咲かせます。

この花の一番の特徴は、ガラスのように透明に見える花弁です。

しかし、条件が揃わないとなかなか見ることが出来ません。
サンカヨウは、山中に生息し、花が咲いているのも1週間程度と短く、
朝露や雨で花が湿りだすと徐々に花弁は透明に変わっていきます。
厳しい条件なので、自生するサンカヨウの透明な花を見ることは
なかなか難しいのです。

開花時期は5月後半から7月頃までです。
8月頃になるとブルーベリーのような甘酸っぱい食用の実をつけます。
水分も多いため、この実を口にするのが登山者の楽しみの1つのようです。

ヒマラヤに咲く幻の花/メコノプシス・グランディス

ミヤンマーやチベット、中国雲南省北西部の3500m前後の高山地帯に分布しているメコノプシス・グランディスは、清々しい青空を思わせる鮮やかな青い色をしています。

ブータンの国花で「ヒマラヤの青いケシ」や「ブルーポピー」の名前で有名です。

また、夏の気温が25度を超えず、適度な湿気など条件が多く栽培の難しい花と
されていることから、「幻の花」とも言われています。

花言葉は「底知れぬ魅力をたたえた」です。
贈り物にしたら喜ばれるかもしれませんね。

貴重な宝石の塔と呼ばれる花/エキウム・ローズクォーツ

愛知県にある安城産業文化公園デンパークが2007年に世界で初めて交配に成功し
誕生した花です。

星のような小さな花が塔のような円すい形に密集して咲いている姿から
「宝石の塔」と愛称がついています。

背丈は2.5mと大きく、1株に3~4万株の花をつける見ごたえのある花です。
名前の由来は、宝石のローズ・クォーツと同色の花を咲かすため。

まだ、花言葉も見当たらず、世界にも広がっていない珍しい花。
日本で生まれた“宝石の塔”を是非実際に見てみたいですよね。

おわりに

珍しい花が沢山あることがお分かりいただけたでしょうか?
世界中にはまだまだ知らない花が他にも沢山あります。
個性的な花は人間の個性と同じようにどれもユニークで美しいものです。
花屋さんや園芸店に出かけたら、目当ての花以外にもぐるりと店内を見渡して
新種や珍しい花を探してみて下さい。きっと新しい発見に出会えるはずです!
そしていつか、“これだ!”と思える花に巡り合えると素敵ですよね。