花言葉は、“可愛い女の子たちの使う言葉”というイメージってありませんか?実は花言葉にも辛辣な言葉や、不思議な言葉がついている花もあるのです。一体どのようなシーンで使うのか?つけた人に聞いてみたくなる花言葉の数々。今回は、そんな“意外な花言葉”をいくつかご紹介します。自分には関係のない分野だと思う前に、色々な花言葉があることを学びましょう。ひょっとしたら、今のあなたの心情を表す花言葉に出会えるかもしれません。
マダガスカルジャスミン/「二人で東へ旅に」、「清らかな祈り」、「愛される花嫁」
“ジャスミン”と名前が付いていますが、良い香りがするからつけられただけのもので、
モクセイ科のジャスミンに対して、マダガスカル原産のマダガスカルジャスミンは
低木のツル性植物であり、ガガイモ科です。
そのためジャスミンティーを思い浮かべても、毒があるので誤飲やかぶれには
注意しましょう。
しかしながら、白い可憐な花を咲かせるマダガスカルジャスミンはとても魅力的な花です。
ウエディングブーケとしても採用されることも多い花で、春から初夏にかけて花が咲き、
さわやかな香りを漂わせます。花が咲き終わっても1年中緑色の葉っぱが観葉植物としても楽しめます。
花言葉は「二人で東へ旅に」、「清らかな祈り」、「愛される花嫁」です。
なぜ東に?とも思いますが、「二人で遠くへ旅を」という花言葉もあるので、
いずれも花嫁や結婚を迎えたカップをイメージした花言葉になっているのかもしれません。
ウエディングブーケに採用されるこの花は、美しさと香しい香りだけではなく
花言葉も結婚式にピッタリですよね。
アザリア/「禁酒」、「自制心」、「節制」
アザレアはツツジ科ツツジ類に分類されるツツジです。
もともと台湾原産のタイワンツツジをベルギーのプラントハンターが持ち帰り、
色々なツツジやサツキと交雑させた園芸品種です。
後に日本にも輸入されたものが、アザレアと呼ばれていますが、
海外ではツツジ類をアザレアと呼ぶので、本当はベルギー・アザレアと呼ぶのが
正確かもしれません。
美しい見た目と裏腹に植物全体が毒を持つので注意が必要です。
アザレアはスウェーデンの植物学者リンネがつけた名前です。
語源はラテン語のAzalos(乾燥)です。
これは、アザレア乾燥した土を好み生息することに由来します。
そのため、水の少ない乾いた土地で生きることから「禁酒」、「自制心」、「節制」という
花言葉がつけられました。
一見「禁酒」は関係なさそうですが、「乾燥」を意味する「DRY」には
「干からびて何もない」=「酒もない」という意味があります。
そのことから英語圏では、お酒を取り扱わない街を「DRY TOWN」と呼ぶようです。
奥様にアザレアの花を贈られないようにお酒はほどほどに。
リンドウ/「悲しんでいるあなたを愛す」、「あなたの悲しみに寄り添う」
原産地は、日本、中国、朝鮮半島、シベリアなのに対し、スイスの国花であるリンドウ。
秋の時期に釣鐘型をした可愛らしい花を咲かせます。
リンドウはエジプト時代から生薬として知られていました。
中国でも昔から生薬として利用され、漢方になる草の根が胆汁のように非常に苦いことから最上級を表す竜の字を使って「竜胆」となり、その音読みの「りゅうたん」が転じてリンドウになったとされています。
また、属名の学名、「ゲンティアナ」はリンドウの薬効を発見した、古代ギリシャ・ローマの王ゲンティウスにちなむと言われています。
こんな昔話も残っています。ある日、修行者の役小角(えんのおづお/634年~701年)が
日光の山道を歩いているとウサギが雪の中からリンドウを掘り出してなめているのを見つけました。役小角がウサギになぜそのようなことをしていたのか尋ねると、主人が病気なのでこの草を探していたとの答え。役小角も試しにリンドウの草の根を病人に飲ませると、優れた効き目があることが分かりました。
役小角は二荒神(日光にある神社の神様)のお告げだと考え、その後日光ではリンドウが霊草として崇められています。
そんな大切にされてきたリンドウ。花言葉はなんだか悲しいものがついていますが、
野生のリンドウは群生せず、1本ずつ離れて咲いています。
そこに孤独に咲く性質と悲しみの象徴的なカラーである青色が合わさり、
このマイナスな花言葉を生み出しました。
とはいえ、リンドウはお天気の良い日に太陽に向かってまっすぐに開花します。
曇りや雨の日、夜には花を閉じてしまい咲きません。
暗いイメージの花言葉はリンドウにとって納得のいかない花言葉なのかもしれません。
カンボク/「年齢を感じる」
スイカズラ科の落葉低木樹であるカンボク。
白色の両性花の周りに大きな5枚の装飾花が囲むように咲く花です。
花期は5月~7月。8~9月には赤く可愛い果実が実ります。
果皮が柔らかく汁気の多い液果の実なので実に美味しそうですが、苦くて食べられません。実は残念ですが、木材は白くて丈夫、しかも香りも良いので楊枝や道具類の柄などにも
用いられます。
また、葉は煎じると止血効果があるとされ、切り傷や擦り傷の薬として利用されます。
欧米では果実をゼリーとし、樹皮を利尿薬としても使うそうです。
変種であるテマリカンボクは白い花が手毬のように丸まって咲き、切り花としてとても人気があります。流通市場では「スノーボール」とも呼ばれ、ウエディングブーケにも使われます。
そんな、カンボクですが、花言葉は「年齢を感じる」です。
これは、花が咲きすすむにつれて花色が変わっていくことに時間の経過を感じることから
このような花言葉がつけられたのではないかと言われています。
実際に、テマリカンボクの花は咲いたばかりの時には緑色をしていますが、咲き進むにつれてだんだんと白くなっていき、最終的には真っ白いアジサイのような見た目になります。
お花屋さんで販売されている時には緑色をしていることも多いでしょう。
ちなみに、「スノーボールライム」という品種は、スノーボールと同じように丸い手毬状の花が咲きますが、時間がたっても最後まで緑色の品種です。
それにしてもこの花言葉。女性にはなんとも贈りづらい花言葉ですよね。
カンボク自体の花言葉は「年齢を感じる」ですが、テマリカンボクの花言葉は「茶目っ気」や「誓い」という花言葉もあるので、ウエディングブーケに使うにはカンボクよりもテマリカンボクの方が良さそうです。
キンギョソウ/「私の推測ではNOです」、「おしゃべり」、「でしゃばり」、「おせっかい」
“キンギョソウ”は花の姿が「金魚の形や金魚の口に似ている」ことからついた名前だと言われています。また、学名の「アンテリナム」がギリシャ語で「鼻に似ている」という言葉が語源になっています。さらに、英名の「スナップドラゴン」とは「かみつきドラゴン」という意味で、
花の形が「ドラゴンの口に似ている」ことからつけられました。
このように、キンギョソウの花は何かに例えたくなるような形をしています。
花言葉の由来もキンギョソウを見た目からイメージしたものです。
「おしゃべり」、「おせっかい」、「でしゃばり」は口をパクパクさせて話しているような姿を花に
重ね合わせたもの。
また、「推測ではやはりNO」という変わった花言葉は西洋でこの花が仮面に似ていることから生まれた花言葉だとされています。
しかしながら、「推測ではやはりNO」とは一体どんなシーンで使えばよい花言葉なの
でしょうか?探偵の方の決め台詞みたいですよね。
おわりに
今回は、意外な花言葉をご紹介しました。花言葉とはいえ、ちっともロマンティックではない言葉も沢山あります。使い方さえ悩ましい花言葉。花言葉は決して綺麗ごとでつけているのではなく、見た目や隠されたエピソード、花の特性などによってつけられています。甘い言葉だけではないと思ったら、贈る相手の幅も広がったのではないでしょうか?奥深い花言葉の世界。なかなか知っている方も少ないと思うので、是非活用してみて下さいね。